策士策に…… 3月6日

観劇 読書感想文

 

 

緊急事態宣言が首都圏で2週間延長となった。

 

何となく当然と思えるが、そこにはその根拠、解除目標、根本対策等々があまりにも

欠落しているように思えてならない。

 

コロナが風邪やインフルエンザと同じなら今後も無くならない。共存しなければなら

ないのなら、絶対的に必要なのは薬。ワクチンもそうだけれど、特効薬である。それ

が出来て初めてコロナは終息となる。でなければコロナウィルス自体がなぜか弱体化

するか。

 

とにかく、絶対的に必要なのは薬だ。他への予算を削ってでも、そこに使うべきでは

ないのか。

でないと、地球に生きる生物の中で、人類のみが顔をマスクで覆わねば生きられない

生物になってしまう。

顔を異物で隠して生きる生物。人類史上最大の悲劇である。

 

 

 

 

 

さてさて。

今週の相棒、第18話、漸く録画で観た。

で、マジで〈?〉になってしまいました。

で、久々に相棒考をやりたくなりました。

 

 

あ、もうご承知の通り相棒大好きです。過去何度もやってますものね相棒考。

 

なので以下の相棒考もボクの勘違いによる間違った考えかもしれませんので、いつも

のように先に謝っておきます。すみません。m(__)m

 

 

では。

 

 

絶体に同じものが存在しないのが指紋、そして銃の線条痕。

 

小説『魔銃録』に憑かれた男が、魔銃と呼ばれる銃で事件を起こした。その銃は古い

西部劇に出てくるような、魔銃と呼ばれるのにふさわしいアニメに出てくるような銃

でした。そして第2の殺人事件が起きる。被害者は何と『魔銃録』の作者。その線銃

痕が第1の事件の銃の線条痕と一致。

だが、第1の銃は科学警察研究所 略して科警研の奥深くに保管され、持ち出しは不可

能。つまり事件は不可能犯罪だった。

続いて第1の銃と同種の銃が押収される。つまりアニメに出てくるような銃が2つ。

この第2の銃が第2の事件に使われた銃とみられたが、線条痕は違っていた。つまり

2つの事件とも第1の銃が使われたのか……

完璧なセキュリティの科警研からどうやって第1の銃は持ち出されたのか。そのトリ

ックは! そしてその犯人は?

 

ま、あらすじはこんなところでしょうか。要約すると、

第1の銃は絶対に持ち出せない。つまり第2の事件に使われた銃は違う銃。しかし線

条痕は第1の銃のもの。ありえない!

 

ね。なかなかゾクゾクする本格物でしょ。

 

ボク、ワクワクして観ていました。

そしてそのトリックも盲点を突いたもので、なかなかでしたよ。

でも……

 

 

間違っている。おかしい。

 

動機です。殺人の動機ではありません。このトリックを用いた動機です。なぜ犯人は

こんなことをしたのか。

 

 

ここからネタバレありです。お気を付けください。

 

 

 

 

 

 

  

動機には2つあります。1つは殺人そのものの動機。こちらは右京さんの説明では

〈実験〉でした。犯人は科警研の人間で、犯罪心理の研究の為に事件を起こした。

被害者の作家は実験の協力者で、怖くなって警察に行くと言い出した。実験の邪魔は

させないと殺した。これはギリ納得できます。

 

問題はなぜ同じ線条痕になるようなトリックを用いたのか。

右京さんはこう説明しました。それもたった1行レベルのセリフで。

「捜査を攪乱させる為。そしてもう1つ、魔銃と呼ばれる拳銃の存在を世間に強く

知らしめる為」と。

 

後者は、第2の事件でも第1の事件と同種の拳銃が使われました。アニメに出てくる

ような銃。まして殺されたのは『魔銃録』の作者です。それだけで魔銃の存在は十分

です。動機としては弱いなぁ。ま、でもこちらはいいです。

 

問題は前者。「捜査を攪乱させる為」 これです。

 

これ、完全に破綻してます。

 

確かに線条痕が一致すれば警察は大混乱します。その代わり、捜査は鑑定をした科警

研にも及びます。事実右京さんたちは科警研にやってきた。

第2の事件を第2の銃でやっておけば、当然線条痕は違います。すると右京さんの目

が科警研に向くことはない。

 

つまり犯人はわざわざやらなくてもいいトリックで、自らを捜査の中に置いたわけで

す。

つまり「捜査を攪乱させる為」ではなく、皮肉にも「捜査を順調に進める為」になっ

てしまっているわけですわ。

 

そしてここが一番の問題です。犯人があんなトリックを使えば捜査の目が自分たちに

も向くこと、そんなことは誰にでもわかるレベルなのに、右京さんともあろうお方が

「捜査を攪乱させる為」なんてセリフ言いますかね。右京さんなら「あなたは間違い

を犯したんですよ。捜査を攪乱させるつもりで逆に捜査を呼び込んでしまったんです

よ」と言うでしょうね。

 

これが、犯人が右京さんと対決したいのなら話は別ですよ。「杉下よ、俺を捕まえる

ことが出来るかな。フフフフフ」的な犯人ならそういうこともするでしょうけれど。

そんな犯人やないし。普通に逮捕からは逃れようとしてるし。

 

 

多分作者がこのトリックを思いついちゃったんでしょうね。でこの話を作った。なの

に、なぜ犯人はそんなことをするのか、の動機が……

本格物の密室物でよく言われる「なぜ犯人は殺人現場を密室にしたのか」という問題

と同じことが起こったんです。やる意味のない密室をやっちゃった例と同じになって

しまってるような。わざわざ頑張って、失敗しちゃった残念な例になってしまってい

るような。

 

こういうこと、作家は起こりやすいんですよ。策士策に溺れるとでもいうような。

でもプロデューサーさんも監督さんも気づかなかったのかなぁ。

 

 

久々の相棒考でした。

 

 

逆に政府はもっと策を立てようよ。

 

 

 

 

 

 

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