今年は当りだ 9月30日
ミステリーの(ミステリーだけやないけど)、毎年発表されるベスト10は、出版された
年に限られます。
なに当り前のこと言うてんてねんと思われた方、そうやないんですわ。
ボクたち読者は、年をまたいだり、何年も経ってから購入して読んだりするわけなん
で、その年に読んだもので判断するしかありません。
なので、去年の本でも、今年読めばボクには今年の本。m(__)m
で、今年。
当りですわ。
まず前にも書いた『密室黄金時代の殺人』
犯人はなぜ密室にせねばならなかったのか?という昔からの大きな命題に、大ナタで
絶対的な解決をしてみせたアイデア作。
そして、まだその名は出せないのですが、なぜかって? 舞台に出来ないか、あれこれ
思索しているからでやんす。(●^o^●) このことも前に書きました。
とにかく超ド級の埋もれた作品発見。
結論が出たらすぐに言いますね。
そしてこちら。
昨年度のベスト10に入り、今年の日本推理作家協会賞受賞作。
ボク、芦辺拓氏は数冊しか読んでません。というのも、文章がなぜか合わなくて、
どうもページが進まなくて。すみません。m(__)m
それが、これは一気に読めた。
面白い。
船場の商家「大鞠家」を舞台に、明治、大正、戦前、戦中、終戦に至るまでの、もの
すごい物語。
ま、ボクが関西人で、更に舞台の人間でその時代の大阪物も書いたことがあるからか
もしれませんが、「ごわりまへん」という船場言葉がまぁ美しい。
だんさん、ごりょうんさん、おぃえはん、とうさん、こいさん、いとはん、あにぼん
さん、おとぼんさんの世界。
芦辺氏は大阪のご出身やから、大阪を舞台にしたものはお手の物でしょうし、氏の創
作された探偵の森江春策氏もそうやし。いえ、それでもこれは船場もの。ものすごく
お調べになったのでしょうね。もう完璧! と唸ってしまいました。
松竹新喜劇の『ぼんち子守唄(大阪ぎらい物語)』や『船場の子守唄』の世界が、山﨑
豊子大先生の『ぼんち』や『暖簾』や『女系家族』の世界が、生き生きと描かれてい
て、そこで起きるおどろおどろしい連続殺人事件。
いやぁ、驚きました。
ホンマに一気に読みました。
ま、犯人はなんとなく予想できるけど……(^^;
なので、これは芦辺氏に対しボクが誤解していたなと思い、読んでない芦辺氏の旧作
を図書館で借りて来て読み始めましたが、やっぱり進まない……
これは奇跡の一冊なのでしょうか。あ、あくまでもボクの感想ですよ。なので謝って
おきます。ごめんなさい。m(__)m
あ、でも、大阪弁、特に船場言葉に不慣れな方は、ちょっとしんどいかもしれませ
んが……
受賞成程と思いました。
あ、そうそう。
27日、NLTの『ホテルZOO』のゲネを観てきました。
2022年9月30日