ミステリー売り出しの矛盾 11月16日
今年はミステリーの (ボク的にはですが) 当たり年です。
で、もう直ぐ、今年のミステリーベスト10の時節。
ネットには既に予想が出てました。
1位予想は先日ここにあげた『名探偵のいけにえ』
成程、やはり。(^O^)
で2位予想がこれ。
夕木春央さんの『方舟』
で、さっそく読みました。
うぅん。よく出来たロジック。成程。
ただ、ボク的にはものすごい問題が。
以下、ネタバレです。気をつけてくださいまし。まぁネタバレといっても、あらすじ
などを良く調べると、既に分かることですけどね。なのであまりネタバレにならない
言ってみればストーリーですけど、まぁ一応ね。なのでうっかり読んじゃっても大丈
夫ですけどね。まぁ一応ね。(^O^) m(__)m(●^o^●)
※ ここからネタバレ。
山奥の地下施設に閉じ込められた面々。
地震で地上に出る扉が大岩によってふさがれてしまい、それを取り除くには、より地
下にある機械を捜査して岩を動かすしかない。ただ、それをすると操作をした人は地
下に閉じ込められ出られなくなる。
しかも地震で地下水が侵入してきて、計算するとあと1週間で全てが水に浸かってし
まう。
誰が犠牲となって地下に残り、岩を動かすのか?
そんな時、殺人事件が起こる。
なら犯人を捕まえてそいつに残ってもらうことにしよう。
そのタイムリミットは水に浸かるまでの1週間。さぁ、犯人捜しだ!
でも第2、第3の殺人が起こって……
いやいやいや、1週間あるなら、誰かが残って皆を助け、脱出した人たちが警察へ駆
け込み、救助隊と削岩機を持って戻れば、何とかなるでしょう。
でも主役たちは、残って犯人探しをすることを選択する。なんで?
そのロジックが弱いとしか思えなくて……
ボクなら、例えボクが残っても、1週間の間に救援隊を呼ぶ方に賭けるけどなぁ。
でもそうすると、この話、存在せぇへんことになってしまうしなぁ。(;´д`)
※ ここから大丈夫です。
でも、犯人特定のロジックといい、最後のドンデンといい、面白かったことは事実で
す。
特に、最後のドンデン。
すごいのですが……
本の帯や、ネットの宣伝文句に、最後の最後に驚愕のラストがぁ! って感じで、けっ
こう煽られていて、そのつもりで読むと、何となく分かってくる気が……(^O^)
恐らく皆さんも、そこまで煽られたら、多分うすうす気づくと思いますよ。(^O^)
難しいところですなぁ。
出せばチョー売れるスター作家ならともかく、地味なミステリーがそうそうはねぇ。
でも、作品が面白いなら、やっぱり多くの人に読んでもらいたい。商売的にも、作品
的にも。
となれば、(嘘でない限り) 多少は煽った宣伝も必要だし、でも、その煽りが仇となり
こちらはその気で読んでしまうし。で、気づいてしまったり……
ミステリーについてまわる矛盾ですわ。
それと……
ボクも物書きなので、何となく分かるのですが、恐らく、作者は最後の1点を思いつ
いたところから、このミステリーをお書きになったんでしょうね。
1点勝負のものとして読んでも中々の佳作です!
確かに、今年は当り年ですわ。(●^o^●)
あ、肝心のボクの宣伝を
上の写真の『方舟』の隣は、発売になったテアトロ12月号です。
今月号の特集「青春の光と影」
ご依頼を受けて寄稿しております。
皆さま、是非ご笑読くださいまし。
2022年11月16日