詰め込みすぎた一日 2月13日
昨日の話です。あ、もうおとといか。
DVDを三本借りてきて観ました。
『ポアロのクリスマス』『夫婦善哉』『ぼんち』です。
ポアロはクリスティでは珍しい密室物。しかしボクこれ読んでませんでした。
でも今のスケジュールで読むのは難しく、DVDでごまかしてしまいました。
ミステリーファンとしては禁じ手なんですが………
密室トリック。まぁ、あんなもんでしょうな。つまり真っ当なんですよ。
流石クリスティ。すごく端正でした。
これがディクスン・カーだったら、同じトリックでももっとおどろおどろしく
演出して、派手な場面に仕立てたでしょうな。
『夫婦善哉』
淡島先生と森繁先生の日本映画史に残る名作です。
勿論、大昔見ました。
今年7月中村美律子さんの中日公演で『新版・夫婦善哉』を脚本・演出
するもんですから、もう一度見ておこうと思ったという訳でごんす。
ちなみに昔藤山寛美さんと野川由美子さんの『夫婦善哉』も見ましたなぁ。
淡島先生、まぁお綺麗ですよ。
やとな置屋の女将の役で浪花千栄子さんが出てますが、相変わらず
うまいですなぁ。なんて流暢で綺麗な大阪弁でしょうねぇ。
『ぼんち』です。
これ実は見ていませんでした。
先達て亡くなられた山崎豊子先生原作、市川昆監督
市川雷蔵丈主演。
大阪の船場が舞台なので見てみました。
すごい! すごすぎる!
何がって?
毛利菊枝さんです。
すごい女優陣です。敬称略でいきますよ。
山田五十鈴、京マチ子、越路吹雪、若尾文子、草笛光子、中村玉緒。
でも女の主役は毛利菊枝さんです。
船場の老舗河内屋を支配する恐ろしきおばあちゃん。
主人公・雷蔵さんも、その母で毛利さんの実の娘役の山田五十鈴先生も、
その婿養子の船越英二さんも太刀打ちできない。
大女優山田先生でさえ霞んでしまう存在感と実力。
車に乗っているシーンの雷蔵さんと毛利さんと山田先生。
「あてが男やったら子供産ませてみたいわぁ」と、孫(雷蔵さん)に妾の段取りまで
考えているシーンです。怖。
新劇女優だから序列は映画会社専属大スターの後だけど、『山椒大夫』『雨月物語』
『地獄門』等の名作で大活躍。だいたい怖い婆さん役ですな。
ボクらの時代では『八つ墓村』の小竹さん。
これですな。不気味でしたなぁ。
でもテレビ、特にNHKでは優しいおばあちゃん役が多く、普通新人女優が
主役をする朝ドラでも主役をやった稀有な人です。
(当時はまだ一年間の放送で『信子とおばあちゃん』です。ずっと見てました。
続く『虹』の主役は南田洋子さん。既成の看板が主役を務めた珍しい二年間でした)
橋田先生脚本の一年間のNHKのホームドラマ『四季の家』でも
四人主役の一人でした。実の曾祖母、祖母、母、娘の女系一家四人の物語。
曾祖母が毛利さん、祖母が赤木春恵さん、母が京マチ子さん、娘が長谷直美さん
でした。ちなみに赤木さんと京さんは同い年ですが。
大好きな女優さんでした。ボクは以前テアトロさんのエッセイで、
亡くなったため仕事ができなかった大好きな女優さん三人の一人として
書かせて頂きました。(後の二人は若水ヤエ子さんと影万里江さん)
毛利さんは群馬出身なのに、まぁ船場言葉のうまい事。
すごい名女優の名演に舌を巻いた一日でした。
ちなみにその晩は7月の劇団<ま>の打ち合わせで根本と西脇市出身の
モデルで俳優の萬浪大輔クンといつも行く安くてうまい焼肉屋七甲山で。
ちなみにこの日の昼も博多座のプロデューサーとコロッケさんと打ち合せ。
あっという間に終わったので、帰りに昼飯を一人で食べたのがこちら。
六本木のモティです。大好きです。まだランチに間に合ったので、
海老カレー。いつもそうです。
夜だったら同じくブラウンカレーかチキンバルタ専門です。
つまり昼5月のコロッケさん公演の打ち合わせ。モティで昼飯。
帰ってDVD三本観劇。夜は<ま>の打ち合わせと称して焼肉。
濃い一日やったわ。
まだあるよ。
深夜帰宅して録画していた相棒を見た。
右京さんが犯人を追いつめる時のセリフ。
「芝居の神様があなたに力を貸すでしょうか!」
いい場面です。ドラマチックで。
でも以前も書いた通りやっぱり今回も、いえ今シーズンはミステリー度が低いと
思えてなりません。ひねりも、トリックも、犯人も、犯人の不可解な行動心理も、
伏線の張り方すらすぐ分かっちゃうしなぁ………
そうなるとありきたりの人情刑事ドラマになっちゃうもんなぁ………
でもま、詰め込みすぎた一日でしたな。
2014年2月14日