やっちまった! 6月10日

読書感想文

 

 

 

学生時代京都にいました。

 

 

京都に行くことが決まった時、うれしかった。

そうかて、小学校の修学旅行で行ったところに、毎日いられるわけやから。

 

いろんな観光名所へいつでも行ける。

 

で、四年間、ぜんぜん行きませんでした。

 

<いつでも行ける>というのが逆ミソですな。

 

 

 

片や、タバコが後三本。でもその横に無開封がもう一箱あったら、

安心して、三本はなかなか減りません。

 

でも三本で終わりだったら、余計吸いたくなって(正確には呑みたくなって)、

イライラきてしまいます。

 

三本がなくなったら<いつでも吸えない>というのがミソですな。

 

 

 

 

さて。

 

締め切りでごんす。もう絶体絶命。

 

しかももう直ぐ7月明治座の稽古が始まります。

その初日が開いてからでないと、時間が取れない。

 

つまり活字欠乏症は7月半ばまで解消できない。

 

そう思うと、余計イライラ来て……

 

 

 

で、読んじまったぜミステリー。

 

それも1晩に2冊。嗚呼……

 

 

これです。

 

 

 

 

 

 

小島正樹さんの『祟り火の一族』と『扼殺のロンド』

 

 

前回『呪い殺しの村』がなかなかだったので。

 

探偵役も同じく海老原浩一クンなので。

 

 

これでこの人のは『武家屋敷の殺人』『十三回忌』『硝子の探偵と銀の密室』そして

『呪い殺しの村』に続いて5、6冊目となります。

 

 

流石トリックメイカー。不可能犯罪バンバン。そして読みやすい文体。

 

 

なにせあんたこんなんある?

 

 

ネタバレに気を付けております。ご安心を。

 

 

とある倉庫にアベックが載った車が突っ込んで壁に激突。

ところがその直後、それを知らない大家が扉を閉めて外から南京錠を掛けちゃった。

 

その数日後、へしゃげた車の中からアベックの死体が発見される。

発見された時、車はへしゃげて扉もなにも絶対開かない状態。

しかも南京錠。つまり二重の密室。

 

でも事故だから、密室は関係ないと思いきや……

 

アベックの死因が、男は高山病。(高い山なんかないのに)

女性は扼殺後、腹を引き裂かれて内臓を持ち去られていた。

 

もう一度言います。車は大破して、警察が用具を揃えないと開かない状態。

しかも南京錠。

 

事故は一気に不可能殺人に突入して……     『扼殺のロンド』より

 

 

 

こんなんばっかりですよ、この人は。

 

 

ちなみに『祟り火の一族』も、ありえない6つの怪談話が

全部現実の事件になり、空中に白装束の女が突然現れたり、

のっぺらぼうが出てきたり、突然人間が燃え上がったり、

緑色の顔をした女がスーパーマンのように飛んで来たり……

 

 

ああ、ありえないトリックのオンパレード。

 

 

しかも読みやすいのであっという間に。

 

 

それで一晩に2冊読んじった。

 

 

で、朝……

 

 

やっちまった……

 

 

ああ、締め切りがぁ!

 

 

 

重厚さはあまりないけれど、こけおどしの割にはトリックは小ぶりやけど、

これだけ次から次に不可能トリックのオンパレードはなかなか。

つまりこの人の読みやすさとミステリ度数はなかなかですぞ。

 

 

こうなりゃ『龍の寺の晒し首』と『綺譚の島』も読まなあかんがな。何で。

 

 

 

ああ、締め切りがぁああああああ!

 

 

 

 

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