乱十郎、疾走った! 3月6日

池田政之の仕事 読書感想文

 

 

締め切り、頑張っています。

 

 

 

今年の上半期は、

 

  1月明治座コロッケさん公演『初笑い 水戸黄門漫遊記 特別出演ウルトラマン』

    の作・演出

  3月三越劇場春秋会男組『桜爛漫美男仇討』の作・演出

    (まもなく稽古に入ります)

  5月NLT50周年記念公演『マカロニ金融』の脚色

          &

  テレビ(すみません。発表してもよくなったらここで発表しますね)

 

です。

 

 

 

下半期でそろそろ掲載してもいい作品を発表しますね。

 

  7月明治座川中美幸さん公演『深川浪花物語』の作・演出

    新歌舞伎座三山ひろしさん公演『阿蘭陀夢七捕物帖』の作・演出

  8月NLTダッシュ公演『あなたの足元お借りします』の演出

  10月NLT50周年記念公演『やっとことっちゃうんとこな』の作・演出

  12月恒例ハマキヨ公演の作・演出

 

です。

 

 

下半期はこれ以外にも9月10月11月といただいていて、その締め切りが今~春に

一気に来ています。

 

 

やってもやっても追いつかへん。

いいえ、絶対追いつかせて見せます!

 

 

 

 

 

で、出ました。読みたい本読みたいねん症候群!

 

で、今日だけは許してくれぇえええええ、と昨夜読みました。

一晩で2冊。

これです。

 

 

 

 

  

 

 

蒼井碧氏の『オーパーツ 死を招く至宝』(宝島社)と

我らが浅田靖丸氏の『乱十郎、疾走る』(光文社時代小説文庫)です。

 

 

 

まずオーパーツから行きましょうか。

今シーズンの「このミステリーがすごい大賞」受賞作。賞金がなんとなんと1200万

ですって! 551の豚まん何個食えるねん。

まぁ読みやすい。サクサクサクと読めました。

ドッペルゲンガーか?ってほどそっくりな大学生の二人が事件に挑むにライト感覚の

本格ミステリーでやんす。

一人は自称オーパーツ鑑定士を名乗る口八丁の変な天才。もう一人は彼に振り回され

るワトソン役。そこへ困った天才の姉であるキャリア警部補がからんで……

オーパーツに絡んで毎回不可能犯罪に巻き込まれる二人&姉。

その連作短編集でやんす。

出た。連作短編。四つの話プラスエピローグ構成。ボク、以前ここで『ジョーカーゲ

ーム』の感想を書いたとき、これからは連作短編も読もうと書きました。で、読んだ

わけでやんす。

面白い。

トリックもおバカだし。

ただ……オーパーツに対する蘊蓄けど、多少なりとも興味がある人間にとっては、テ

レビのオカルトやミステリを扱った番組見てたら、それくらい知ってるでぇのレベル

ですけどね。

それと、トリックが……第1話・水晶髑髏の密室……まさかなぁと思って読み進んだ

ら、それかい!

第2話・古代のスペースシャトル……まさかなぁと思って読み進んだら、それかい!

第3話はそういうのなかったけど、第4話のトリック……まさかなぁ……いや、ここ

まで来たら絶対それやろ……やっぱりかい!

楽しい。(笑)こんなに当たるなんて。(笑) これで1200万、コスパ最高!(大笑)

皆様、急に時間が空いた時、待ち時間等にサクサクっと楽しむには最適でやんす。

でもこの作者が、長編を、それも、二人の主人公&姉がものすごい事件(たとえぱクロ

ーズドサークル)に巻き込まれ、不可能犯罪バンバンで、おバカトリック炸裂で、でも

重厚な物語で、感動的なラストで……な長編作品をものになさったら、きっと新本格

の若手で一頭地抜けた作家になられるでしょうね。

次回作、楽しみでやんす。

 

 

 

 

 

さて、さて、本日のメインイベント。

我らが浅田靖丸クンの新作(5作目)の『乱十郎、疾走る』(らんじゅうろう、はしる)

でやんす。

 

面白い!

 

400ページ、あっという間に読めちった!

 

まず、これは前にも書きましたけど、とにかく文章がうまい。

これは処女作の『幻神伝』から感じたことやけど、文章表現力がハンパない。

だから大多数を占めるアクションシーンが判りやすく、場が目に浮かぶわけです。

 

舞台は前作の『咎忍』同様時代劇。今度は江戸時代の北関東の田舎。

漂泊の民の、国家を揺るがす大事件に挑む主人公。

 

とにかくね、何がいいって物語がしっかりあることなんですよ。

 

ボク、現代の本格ミステリにちょいと不満を持っています。

それは、例えば横溝正史大先生のような物語がないんですよ。

状況説明があって殺人が起こって探偵役が捜査して解決して……それだけ。

 

つまり、事件譚なんですわ。

 

横溝先生のような、因果、系図、生々流転のような大伽藍の物語がない。

勿論本格派ファンとしては、いいんですよ別に。ミステリ部分がしっかりしてれば。

それだけでもワクワクしますから。でもやっぱりそれに加えて更にワクワクするよう

な物語が加われば、ものすごく面白い小説になるわけでやんす。大衆文学やし。

 

『乱十郎、疾走する』にはワクワクハラハラドキドキする波瀾万丈の物語が

あるわけですわ。

 

いやぁ、見事に乱十郎が疾走ってる!

 

俊作、快作です!

 

あえて、あえて難点を言うなら、ブックカバー裏面に載ってるあらすじが……

よく判んなくて……というか……

 

正史の裏で生きてきた漂泊の民の村で大事件が起こった。二千年間封印されていた宝

刀の魔力で鬼と化した男。難を逃れた若き宗主は、幼子と共に消息を絶つ。そして十

六年……。秩父の寒村に住む逞しい若者の乱十郎を、異能のものが次々と襲う。乱十

郎とは何者なのか? 十六年前の真実が明らかになったとき、乱十郎は、神になろうと

する禍々しき相手に立ち向かう決意をする。

伝奇エンターテイメントの決定版! 乱十郎が、疾走る!

 

かな。(笑)

 

これ、漫画 → アニメ → 実写映画 にならないかなぁ。

今テレビドラマは大きなストーリーはあっても(初回と最終回ですな)

基本一話完結です。でも漫画・アニメなら続き物でも大丈夫やし。

そして……実写版、見たいなぁ。

 

 

皆様、是非読んでみてください。

ワクワクしますよ!

文庫やからお手軽やし。(笑)

是非!

 

 

 

 

 

« »