新本格百貨店 8月4日
『兇人邸の殺人』と『硝子の塔の殺人』 読みましたよ。
どちらもそれなりに読みごたえがありましたよ。
まず『兇人邸の殺人』からいきまひょか。
今村昌弘氏の衝撃デビュー作『屍人荘の殺人』のシリーズ第3作。
うう~ん。これは好みが割れるやろなぁ。
あ、善い悪いではなくて、つまりですね……
シリーズの➀屍人荘の殺人と②魔眼の匣の殺人はタイプがちょいと異なります。
➀はその年の主要ミステリベストテンで4冠。鮎川哲也賞、本格ミステリ大賞受賞。
映画にもなったパニックホラーと本格物の融合で、大評判でしたね。
それに対し②は➀よりも本格寄り。世間的評価は➀に一歩譲った形ですが、ボク的に
は②です。②は大好きです。完全に本格推理小説ですもの。傑作ですよ。
で考えた時、今回の➂は完全に➀寄りです。パニックホラーと活劇と本格物の融合。
なので、ボク的には……でした。
とはいえ、つまんないと言ってるんじゃないですよ。文章もどんどんお上手になられ
るし、十分楽しみました。
その証拠に、ネットで感想を見ると、皆さん絶賛。②よりも➀の方が評価が高いのが
一般的ですものね。
でもボク的には②です。そうかて好みやもん。評価が分かれると言うのはそういう意
味です。好みが分かれるという意味です。しかもレベルの高い作品で。贅沢な選択。
今村さん、早く新作待ってます。で、できれば②寄りがいいなぁ。
『硝子の塔の殺人』
帯には、島田荘司先生、綾辻行人氏、法月倫太郎氏、有栖川有栖氏、我孫子武丸氏、
芦辺拓氏、大山誠一郎氏、そして竹本健治氏の絶賛推文が眩しいほど並んでいます。
新本格の全ての要素が過不足なく並び、絢爛な物語になっています。
新本格の百貨店。一大フェスティバル。博覧会。ドンドンパフパフ!
確かに総花的なところもありますが、文章もうまくて読みやすく500ページの分厚さ
を一晩で一気に読めました。
新本格ファンならうれしくなります。
新本格をよくご存じない方は、これ1冊であらゆるタイプが味わえます。
しかもクラシカルではなく今風なライト的な雰囲気まで余すことなく。(^O^)
これは名探偵・碧月夜ちゃんのキャラですな。ま、だからこそ所狭しと入って来る新
本格へのオマージュ含蓄セリフが生きてくるわけやけど。
ボク的にはもう少しクラシカルな方が重厚で好きやけど。m(__)m
ここでちょいと自慢。
ボク、犯人当てたよ。え?どの犯人って? ……フフフフ。
そうかて密室トリック、本格ファンならなんとなぁく分かると思いますよ。ただ
なぜそれをやったかは分かりませんでしたけど。(・_・;)
次回作は是非、1点勝負の大伽藍を熱望します。
ごめんなさい、外野は無責任で。m(__)m
結果、2作とも楽しませてもらいました。(^O^)
で今はNLT新人戯曲賞と格闘しています。
結局『卑弥呼7』アマゾンで注文した。まだけぇへんけど。
2021年8月4日