秋の小ネタパラダイス 10月30日
先月亡くなった本家の伯母の三十五日の忌明け法要に行ってきました。
何だかこう法要が続くと、黒い背広からお線香の香りが……(笑)
さて、今日は小ネタパラダイスです。
まず最初は。
ついに出ました。活字欠乏症。
そんな事してる場合ちゃうっちゅうねん。次の締め切り行けや。
でもね、今月、ものすごい殺人的スケジュールやったんです。
天童さんの舞台演出の他に、舞台三本と映画一本書いたんやもん。
それとスポットの原稿と。
資料も仰山読んだし、資料DVDもようけ見たし。
そら出ますよ活字欠乏症。
でも急には読む本がない。実家にある本は全部読んだ奴やし。
父親の遺品の蔵書群から抜き出そかと思ても、父親はミステリーと縁ないし。
そこで地元の大型安売り古本屋へ行ってきました。
地元にも出来たんです、ブック●フみたいな店。それも大駐車場付きで。
楽そうなの買ってきました。バカミスの頂点のこれ。
『四神金赤館青銀館不可能殺人』
以前この作者の『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』というのを読んで、
そのあまりのバカ密室トリックにぶっ飛んでしまいました。
あそこまで行くと、怒りとか呆れを通り越して、感動すら覚えました。
(『白い館の惨劇』というまともなのも読んでますけど)
バカミストリックってどんなのって?……言われへん。ネタバレは厳禁やし。
悔しい。あのバカさ加減、喋りたいいい! ボク自身は結構気に入ってしもてるし。
という訳で、本来ならここで紹介するタイプじゃないんですけど、
たまにはこういうのも読んでいるという、まぁ話しやなっと。おっさんか。
勿論当作も素晴らしいバカミスでございました。
なにせあなた、始まってしばらくした時に、もうトリックの答えが出ていたのです。
そのバカミストリックに、笑いながら読み進めていたのに、それが原点だったとは。
気づかなかった。他にもいろいろ伏線が。なかなか見事な逆算の作品です。
しかし、こういう分野も成立するのですなぁ。バカミスの分野。
バカミスの意味が分からない方は、ネットで調べてみて下さいまし。
ボクも好きで読みますが、結構需要があるから成立している訳ですな。
しかも当作は、その分野の傑作ですから。
一方ダメだという人も、これまた結構いらっしゃるようで。
そういう時、人はどういう評価を下すのでしょう。
つまんない or 面白い
未熟だ or よく出来ている
理解できない or 理解できる
好みじゃない or 好きだ
て、ところでしょうか。
問題は、理解できないというところです。
理解できないなら、そういえばいい。あるいは口をつぐむか。
しかし、理解出来ないものを理解出来た顔で平然と批評なさる方もいます。
さしずめ当作は、ご都合主義の失敗作と断じられるでしょうね。
昔々こんなことがありました。
大舞踊家が会を催しました。ただ、大舞踊家は90歳をはるかに超える超高齢でした。
舞踊家がセリで上がってきました。どよめきが起こりました。
鬘桶(能なんかに出てくる、人が座る丸い筒のような桶です)に座って
上がってきた大舞踊家は、首はうなだれ、手はだらんと……
しかも、後ろには二人の後見がいて、片手で大舞踊家の帯を支え、もう片方の手で
腕を持ち、曲に合わせて上げ下げしています。操り人形のように。
観客がどよめくのも無理はありませんが、しかしどよめきは一瞬。後はシーン!
ご高齢すぎて、舞台に上がるのもままならぬご体調だったのでしょう。
事実、一ト月後、大舞踊家はなくなりました。
ところが、会から二三日後、新聞の批評に「気迫あふれる素晴らしい踊り」と
絶賛記事が出ました。
驚きました。
批判記事ではないまでも、批評は出ないと思っていましたから。
そりゃ、命を削って出ていらっしゃるのでしょうから、気迫あふれるという事に
違いはありません。舞台にかけるその執念には頭が下がります。そんなお姿でも
拝見できたのは幸せだったと素直に思います。
でも、現実はただ座っているだけで、顔は上がらないので表情もわからない。
事実、踊ってないし。
それをボクを含め満員の観客が、絶句し、不安感いっぱいで見ていたのです。
大向こうさんの声だけが、やたらと反響していました。
この場合は
「舞台にかける執念に脱帽!」
これでしょ。
「気迫あふれる <素晴らしい> 踊り」
批評を書いた人は誰でしょうね。
次は。
法要から帰って来て、見ましたよ。
前回も書いた森岡豊クンが出ている『ハニートラップ』第二話。
少ぉ~し話しが見えてきましたな。
こちらは怒っている森岡部長さん。
なかなか決まってます。森岡、サービスで大きく載っけといたで。
(前回や過去出演していた他のドラマではなく)、今回見て、彼の演技に
新しい発見をしました。何かって? それはまた飲んだ時にでも。
とにかく、もう少し見てみますね。
さて最後は。
メインです。
去年に続き浜木綿子さんのお誕生日会に行ってきました。
両脇は左とん平さんと加藤茶さんです。
楽しい夜でした。
2013年10月30日