横溝正史賞二題 3月16日

〈ま〉の日常 読書感想文

 

 

 

 

今年の前半は1月も2月も、5月と6月の新歌舞伎座さんも脚本だけで、

演出はしません。

 

前半でボクの演出は5月のNLT『月の小鳥たち』までないもんだから、

空いた時間、どんどん前倒しで先の脚本を書いてます。

 

なので、まだまだ時間はございますので、ご用命お待ちしています。なんやそれ。

 

 

とにかく、そしたら、出ました。

 

いつもの「読みたい本読みたいねん症候群」!

 

 

というより、一昨日土曜日の『かぐや姫の物語』のラストの衝撃が

今だにショックで、あれ以来なんか仕事が手につかず、

そこで気分を変えるというか整えるために、

日曜日から月曜日の今朝まで、2冊読んでしまいました。

 

 

これです。

 

 

 

 

 

 

 

1冊は2011年の第31回横溝正史ミステリ大賞〈受賞作〉の長沢樹さん

『消失のグラデーション』

 

もう1冊はそれより8年前の同賞〈落選作〉の村崎友さんの

『夕暮れ密室』でごんす。

 

 

 

横溝大先生の名を冠したこの賞は、

本格推理とストーリーテラーに生涯を賭けた先生とは少々違い、

いわゆる本格物とは少ぉし趣が違って、実は本格物が少ないのです。不思議。

 

なのでボクはあまり読んでいません。

 

 

でもこの2作は本格物なので読んでみたという訳でごんす。

 

 

2作には共通点があって、2作とも高校生が主人公。

その学園内を舞台にした青春ミステリ。

更には前者はバスケット部、後者はバレーボール部。

そして密室及び密室状態や消失と言った不可能犯罪が登場します。ズバリタイプ。

 

 

 

ちょっと待て。

後者の〈落選作〉ってなんやねん? そんなん出版されるのか?

と思われている方、ボクなりにご説明しませう。

 

 

実はミステリーの世界では、公募の新人賞で落選作が少し遅れて出版されるという

ことが、ちょいちょい起こるのです。

 

落選作が出版されるにはどういう理由があるのか?

 

① 落選した作者が、悔しくて自費出版する。

② ミステリとしてはよく出来ているけれど、作家としての力量つまり

  文章が素人なので、何年かかけて推敲し、レベルが上がった時点で出版。

③ 凄いトリック、驚愕の真相、意外な犯人、手慣れた文章。なのに

  1箇所辻褄が合わなかったり、アンフェアプレーをやっちゃうと

  それは落選、というより失格なのです。そう、ボツ!

  でもおしい!

  そこで、その箇所を直して出版。

 

 

①はともかく、②と③が現実に時々起る訳です。

 

そうなると、キチンと直してからの出版になるので、

先に出版された受賞作よりも、面白いものが結構あるんですよ。

 

受賞作より面白い落選作。こんなのミステリの世界だけでしょうね。

 

でもホントにけっこうあるんですよ。しかも今や名作と言われているものが。

 

 

さて、どちらもよく出来た青春ミステリでした。ロジックもなかなかで。

 

 

 

しかし、2作とも……今の女子高校生て、ああなんや。

 

軒並み男子より行動的で、しかも男言葉で、男子よりも上から目線で。

 

メイン級の女子は、2作とも、出てくる奴出てくる奴みんなそう。

 

いわゆるボーイッシュとは違うねん。とにかく読んでると男か女か分からんねん。

そういうトリックもあるけど………脇役の女子までもね。

 

テレビドラマであそこまで上から目線やったら視聴者なんて思うやろ。

 

そこだけがおっちゃん、ちょっとなぁ……

 

 

ま、こっちはオッチャンやから、もう古いのかな……

 

 

 

それと、村﨑友さん、読みは(むらさきゆう)さんですが、

読み方では(むらさきとも)とも読めますよね。

 

元宝塚娘役トップスターの紫ともさんのファンなんやろか。

 

そんなとこが気になった池田でごんした。

 

 

 

 

 

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