あぁあ・・・ 9月28日
高松宮殿下記念世界文化賞という賞があります。
日本がノーベル賞にない文化芸術を補う形で作られた賞です。
つまり文学賞以外の絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像の五部門。
その演劇・映像部門に、今年は、ボクはこの人しかいないと思っていました。
そこで、この春、地元の衆議院議員の先生に提案書にしてお送りしました。
勿論、後援者の人を間に立て、秘書さんの「ファックスしてくれ」という
指示に従ってですよ。
オリヴィア・デ・ハヴィラント。
大女優です。
皆さんも是非 wikipedia を参照してみてください。
そのあまりに輝かしいキャリアに圧倒されるでしょう。
1939年『風と共に去りぬ』のメラニーがとくに有名ですが、
『遥かなり我が子』と『女相続人』でアカデミー主演女優賞を二度受賞。
勿論ゴールデングローブやニューヨーク批評家賞も受賞済み。
更に、アメリカのブッシュ(ジュニア)大統領から、フランスのサルコジ大統領から、
ともに国家最高の勲章を受けでおられます。
サルコジが受賞式典で彼女に言った言葉「終の棲家にフランスを選んでくださった
ことを誇りに思います」ですって。イキですねぇ。
つまり現在はフランス在住です。
今年の7月、100歳になられました。
しかもオリビアはなんと日本生まれなんです。
父君が東大で教鞭をとるために夫婦で来日されたときに東京で生まれました。
妹のジョーン・フォンテインも東京生まれ。ちなみにジョーンも『断崖』で
アカデミー主演女優賞を受賞しています。すごい姉妹ですね。
ちなみにジェーンは聖心女学院に通ったそうですよ。
残念ながら3年前に96歳で亡くなられています。
これは、8年前ブッシュ大統領から国家勲章をもらった時の92歳のオリビアです。
ちなみに、今はオリヴィアと表記するそうですね。昔はオリビアでした。
オスカー候補5度。2度受賞。他に受賞歴数々。
『風と共に去りぬ』出演者唯一の生存者。しかもメインキャストで。
90歳を過ぎて存命の俳優の最高位としてアメリカ、フランスから国家勲章が。
そして今年100歳。
そしてそして、日本生まれ。
すでに今年イギリスからも賞が来てます。
今でしょ!
あげようと思ったら死んじゃった、なんてのはもう、ローレンス・オリビエと
キャサリン・ヘプバーンで懲りたはずでしょ。
今、賞を日本があげたら、欧米からも「お、日本、文化が分かってるね」
と言われること間違いなしだったんです。
地元の先生が諮問委員会に上申し実現していたら「先生、文化が分かってるね」
と言われること間違いなしだったんです。
ボクが地元の先生に提案書をファックスしたのは春4月。
以来、「ファックス、間違いなく届きました」の返事もなし。
結果の報告もなし。とにかくなしのつぶて。
今月13日、文化賞の発表がありました。
演劇・映像分野はマーティン・スコセッシ監督ですって。
いえ、別に文句はありませんよ。名匠やそうやし。
けどねぇ、スコセッシ監督なら別に今年やなくても、来年でも、再来年でも
かまへんやん。
まして世界文化賞は〈今〉の人より〈功成り名を遂げられた〉方にあげる賞でしょ。
オリビアは100歳でっせ。
アメリカも、フランスも、イギリスも、彼女がどれほど偉大な芸術家であるかを
きちんと理解しています。
生まれた国の日本がこれじゃ……
とにかく、文化面で欧米に対し「ドヤ顔」できる大チャンス、またも日本は
逃がしましたね。
残念なので、酒でも飲んでこぉ。
2016年9月28日