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いい街だ。 4月11日

池田政之の仕事

 

 

ご無沙汰してしまいました。

 

 

さて、3日から博多に入りました。

 

去年の秋の浜木綿子さんの『人生はガタゴト列車に乗って』以来です。

 

 

そう6日初日の武田鉄矢さん前川清さん公演の為です。

 

この公演にはNLTから川島一平さん・加納健二さんが出ています。

 

ちなみに7月の劇団〈ま〉に出てくれる遠藤久美子ちゃんも。

 

 

 

 

 

博多座の正面でごんす。

 

豪華でしょ。

 

博多座には日本で一番長いといわれる花道があります。

 

これです。

 

 

 

 

ここを武田さんや前川さんが行き来する訳です。

 

ちなみに舞台稽古の一幕から。

 

 

 

 

ちょっと暗くてすんません。

 

 

毎晩呑んでました。

 

イカは安くてうまいし、酒もうまいし、最高でんな。

 

 

6日の初日も大盛り上がりでした。

 

その後東京へ戻り、昨日は大阪で打ち合わせ。

 

相変わらず東奔西走しております。

 

そうそう。博多座の壁面に、今月と来月のポスターが!

 

 

 

 

 

来月もコロッケさんの公演で博多に来ます。

 

ハマキヨや山村紅葉さんも出ています。

 

また飲むやろなぁ。

 

 

ほんまに博多はいい街だ!

 

 

 

きっと明日はいいともろー 4月1日

 日記 〈ま〉の日常

 

 

大阪ミナミのNGK(吉本さんの劇場)の斜め前にあるワッハ上方。

上方演芸資料館で、数々の貴重なライボラリーや、

300人収容のワッハホール(今はないのかな)があります。

 

以前大阪府知事の橋本さんが、経費削減の一環でこのワッハ上方を

廃止縮小しろと言いだして、猛反対にあいました。

当たり前でしょ。笑い・演芸・喜劇は大阪の誇りでしょ。

大昔からそれでどれだけ経済が回ってきたか。

直接的経済効果つまり直接金を生まないものは全てダメというのは乱暴すぎます。

 

例えば図書館。あれ直接金を生みますか。でも必要でしょ。

この世には金で換算するものと、そうでないものがある筈です。

 

富士山と同じです。オヤジと同じです。存在そのものが必要なんです。

 

 

 

さて、いいともが終わりましたね。

 

32年間。すごいの一言ですよね。

 

今32歳、物心ついたころと考えたら35歳くらいより若い方は、

生まれた時から存在したわけですよね。

日常やん。日常の風景やん。

 

ボクにとっても、日常の風景でした。

というのも、

ボクの場合は、大学を出て、シャディという通販の会社の企画部に入って

カタログ・パンフを作り始めたころに、いいともが始まりました。

昼休み100%見てました。

 

仕事を覚え、手に職も付いたから、上京してもバイトはしなくても大丈夫と、

あっという間に会社を辞めて、京都の学生アパートに戻って、東京で演劇の

世界に行く準備をしていたころ、毎朝起きるのは昼で、起きたらいいともを見て

いました。

 

起きるのはずっと昼です。今でも昼です。執筆は主に深夜ですので。

 

ずっと見ていました。恐らく僕の世代では一番見てたんじゃないでしょうか。

 

有吉佐和子さんがちっとも帰らなくって、さんまさんが「帰ってよ」と

言ったら有吉さんが怒っちゃった時もオンタイムで見てました。

片桐はいりさんが寝坊で遅刻した時も見てました。

タモリさんが珍しく一週間休みをとってレギュラーの方達が日替わりで司会をした

時も見てました。

テレホンショッキングの裏を矢田亜希子さんよりも先に小林亜星さんが

ばらしかけた時も見てました。

 

 

何でなくなるのでしょうね。

 

視聴率が悪くなったから? タモリさんのギャラが高いから?

いろいろと憶測が飛んでいます。

 

でも世の中には、存在そのものが必要なものもあると思うんです。

視聴率を超えた番組もある筈なんです。

NHKニュースだってそうでしょう。

 

フジテレビさんは1日24時間放送されてますよね。

1日24時間、1週間で168時間。笑っていいともはそのうち5時間。

全体の2.9%ですよ。一番最初の消費税の3%より少ないんですよ。

年末年始を加えたら、2%ちょっとでしょ。

 

たとえ視聴率が0%だったとしていも、全体の2.9%なんて

ほとんど大勢に影響がないでしょう。

2.9%くらい、存在として置いておいて欲しかったですね。

しかも今でもそれなりに視聴率獲ってらっしゃるんですから。

その番組を終わらせる………フジテレビさんのこのご英断(?)が吉と出るか、

それとも………

 

 

明日から、あ、もう今日か。お昼どうしようかなぁ。

 

そこにあるべきものが無くなっちゃったから。富士山が見えなくなっちゃったから。

 

 

タモリさんお疲れ様でした。

 

ありがとうございました。

 

中山美穂さんの旦那さんが「中性のおじいさんをめざします」と

仰ったとか。

 

ボクは、三十代のころから、タモリさんのようなおじさん、おじいさんになるのが

目標です。

とてもなれませんけど。

 

 

 

 

 

夜の部の最後、何だかお葬式のような中、タモリさんが泣いていないのに、

不覚にもテレビの前で涙が出ました。

 

23歳から55歳まで、ずっと見てました。

 

ホントに明日のお昼、どうしようかなぁ。

 

 

 

あ。それにしてもすごかったですね。

ダウンタウンととんねるずと爆笑問題のワンカット。これはすごいぞ。

それにタモリさん、さんまさん、ナインティナイン、ウッチャンナンチャン、

一瞬鶴瓶さん。こうなりゃ鶴太郎さんも上げてあげりゃよかったのに。

こんな面子、いいともが最初で最後だろうなぁ。

 

 

ホンマに、明日の昼から、どないしょう。

 

 

 

 

頭休めにミステリー 3月27日

読書感想文

 

 

締め切りがぁあああああああああ!

 

 

今月末二つの舞台脚本の締め切りがあるんだす。

 

来月末も二つの舞台脚本の締め切りがあるんだす。

 

 

で、今月末の締め切りの一つ。

 

本当は2月末だったんですけど、どうしても納得がいかなくって

待ってもらってます。

 

まだ納得いってません。

 

ボクの所へ依頼が来たのは、去年の末。

 

最初に書くはずだった方がダメになったそうで、ボクに回ってきました。

 

その時に既に決まっていた錚々たる出演者の顔ぶれ。

 

つまりダメになった方が考えていた粗筋にそって

キャスティングされた方々。

 

その人達をキチンと書かないといけないわけです。

 

原作を読んでボクの考えた物語は、当然その方とは全く違います。

 

でもその方が、原作にはない人物を想像し、その為に配役したであろう方も

いらっしゃると推測できるわけです。

 

それでも、キチンといい役で成立するように書く。

 

それが商業演劇の作家の使命なんです。

 

あと一人、あと一人、あと一人。

 

キチンとした役にするアイデアが………

 

絶対キチンとします。

 

今までもそうしてきたのですから。

 

 

 

さて、頭ゴジャゴジャなので、頭を一休め。

 

 

前にも書きましたけれど、今秋リーガルコメディをNLTでやります。

 

 

ボク自身、ミステリーしか読まないような情けない読書歴で、

1番好きなのは密室物ですけれど、2番目が法廷物なんですわ。

 

この日記を読んで下さっている方はもうお気づきですよね。

 

密室物ほどではないけれど、法廷物もかなりの数を読んでます。

 

それでも未読のものもあり、頭休めに毎晩深夜2時から2時間ほど

読書時間にあてました。

 

それって頭休めになるんかい。

ボクの場合はなるんだす!

 

 

近年巷で裁判員制度が何かと話題になりましたよね。

 

随分前に『相棒』でも取り上げられました。

 

で、

 

日本で最初に裁判員制度を扱った本格ミステリー

芦辺拓さんの『裁判員法廷』と

それより先に裁判員制度を扱った人気本格ミステリーマンガ

加藤元浩さんの『Q.E.D.』の第27巻です。

 

 

 

 

 

 

どちらもなかなか読みごたえがありましたぞ。

 

特に、Q.E.D.27巻収録の『立証責任』はなかなか。

 

講談社コミックQ.E.D.は(以前NHKでドラマにもなってるけど)、

1巻に2話入っていて(現在47巻まで出てて、つまり94話創られたという訳ですね)

本格ミステリーマンガとしてクオリティが高く、密室物も多く書かれていますぞ。

そう、クオリティの高さでは「金田一少年の事件簿」と双璧やね。

 

ボクも20冊は読んでますが、今までは密室物や不可能物ばかり選って読んでました。

ちなみに金田一はじめちゃんは、全部密室や不可能物なので全巻読んでますが、

何か?

 

でQ.E.D.、今回、法廷物という事で27巻をチョイスしたわけです。

 

 

『立証責任』、いいですぞ!

 

というか、裁判員制度というものが、制度そのものも、恐ろしい問題点も

的確に教えてくれます。

 

『裁判員法廷』も勿論面白く、裁判員制度がよく分かるのですが、

Q.E.D.27巻立証責任は、マンガの分、本当によく分かります。

 

ボクも、「そういう事かぁ。ホンマにこの制度大丈夫か?」と、

うなってしまいました。

 

 

興味のある方は是非。

 

 

あ、4時だ。

 

朝までもう少し。

 

仕事に戻ろ。

 

 

 

次の一手を! 3月23日

〈ま〉の日常

 

 

19日から始まったシアターグリーンでのNLTの『舞台は夢』が今日千秋楽でした。

 

 

 

 

 

古典派の巨匠コルネイユの原作をボクが脚色した古典喜劇でした。

 

大ベテランの川端槇二さん(演出も)と木村有里さん(ステージアドバイザーも)、

先輩の海宝弘之さん、そして若い後輩たちが十数人。

 

皆、頑張ってましたぞ。

 

 

 

 

 

 

幻想的な舞台でした。

 

そして古典と笑いの融合。

 

四年後のNLT喜劇路線50周年に向けての第一歩の舞台としては

 

原点を見た思いでした。

 

 

次は新人作家のデビュー作『人質に乾杯』です。

 

 

そして秋には本邦初の舞台化『法廷外裁判』です。

 

 

来年の企画もそろそろ出そろいます。

 

 

全ては50周年に向けて。

 

 

そしてNLTの未来に向けて………

 

 

 

勿論7月にはボクの劇団〈ま〉もありますよ!

 

 

 

 

 

屁理屈とおままごとの恋 3月14日

観劇 読書感想文

 

 

屁理屈とおままごとの恋。

 

これ、すごい誉め言葉です。

 

 

何がって?

 

 

その前に雨あがりの実家の庭です。

 

 

 

 

梅の花がほころび始めました。

 

春はもう直ぐです。

 

 

さて、本題。

 

法廷物でちょいと変わったミステリーを読みました。

 

法廷物というのかなぁ。

私的裁判ものというのかなぁ。

 

実はボクは、今秋、NLTで私的裁判もののコメディをやるもんだから

興味がわいてね。

 

あ、でも、ボクはもう脚本書いて、NLTに渡してしまいましたけどね。

 

 

 

 

これです。

 

円居挽氏の京都を舞台にした長編デビュー作。

 

これ、すごいですよ。

 

何をどういえばいいのだろう。

 

うまく言えないから、とりあえず粗筋でも書きますか。

 

  京都には古より貴族の間で〈双龍会〉という私的裁判が伝わっていた。

  富豪の孫・15歳の美少年・城坂論語は、怪我のため一時的に盲目となり、

  屋敷の離れで寝ている時、謎の女ルージュが表れ、その女と手を繋いだだけの

  状態で言葉を交わし、一生消えないほどの思いが心に残る。

  その同じ時、母屋では祖父が殺される。犯人はルージュなのか。

  だが少年が犯人と疑われる。少年の父と叔父は、祖父を病死として処理。

  少年と、ある約束を引き換えに。

  そして三年……

  少年は約束を破る。

  怒った叔父は少年を双龍会に訴え、少年は被告として裁かれることになる。

  ここに龍師と呼ばれる卓越した能力を持った検事役、弁護士役が登場し、

  双龍会の幕が上がるのであった。

  それは全て、少年のルージュ探しの旅の幕開きでもあった。

 

 

とまぁ、こんなところでしょうか。

 

この私的裁判の場面が、まぁすごい。

検事役の黄龍師、弁護士役の青龍師の息もつけない口先対決。

その弁論のまぁすごいロジック! まぁすごい屁理屈!

黒も白! そうとも、カラスは白い!!!

ドンデンドンデン又ドンデン! 一体いくつひっくり返すねん!

 

双龍会という奇しげな古式ゆかしい法廷劇の面白さ。

主役がぐるぐる変わるめまぐるしさ。

そして三年前の事件の真相と、ルージュの正体。

 

そしてそして、少年のおままごとのような恋のせつなさ。

 

 

いやぁ堪能しましたよ。

読み終えた瞬間、おいちゃんの耳元でアニメ『コクリコ坂から』の

テーマ曲「さよならの夏」が静かに鳴り始めましたよ。

 

作者の円居挽氏は京大推理小説研究会出身。なるほどね。

綾辻さん、有栖川さん、法月さんの後輩だそうです。

その新本格テイストをきちんと守り、さらにライトノベルズの香りも漂いまくり。

 

いやぁ、城坂論語とルージュのラストは、おいちゃん、もう一度17歳くらいに

戻ってみたいと思っちまったぜ。

 

おままごとのような恋。

 

こっばずかしくて、バカみたいだけど、だんだん年を重ねると

二度とできないそんな恋の風景に、キュンと来てしまった池田でした。

 

 

誉めてばかりやから、一つだけ文句を。

 

含蓄とペダントリーから派生し矢継ぎ早に繰り出されるダジャレ的なギャグの洪水。

あれ笑えんで。おもろないで。

特に先輩龍師の瓶賀流さん、あんなに喋っても、ギャグのセンス、10点満点中

1点かな。いや0点やで。ぜんぜんおもんないイチビリやで。

何でか分かる? あれはお勉強なさった知識だけで作れるギャグやから。

笑いのセンスとは違うから。

 

さて、ルヴォワールシリーズは、この後『烏丸ルヴォワール』

『今出川ルヴォワール』と続いているようで、

間もなく『河原町ルヴォワール』も出るそうです。

 

読んでみよ。

 

皆様も是非。

 

でもこれ、読む人選ぶかもしれんなぁ。

 

 

 

さて、今、フジテレビの2時間ドラマ、片岡愛之助丈主演、高木彬光先生原作

『影なき女』、見終えました。

 

 

 

 

懐かしいなぁ。

 

高木彬光先生、大好きでした。

本格ミステリーの三大雄のお一人(あとの二人は横溝正史御大と鮎川哲也先生です)

 

本格ミステリーから出発なさって、社会派も、経済ミステリーも、歴史ミステリーも

時代小説も、何でもごされの方でした。

法廷物もモノにされていて、『破戒裁判』は傑作ですぞ!

 

 

この日記で2月25日「活字欠乏症の妙薬は密室」でも書いたけど、

ボクは密室派&不可能派なので特に好きなのは、『刺青殺人事件』『能面殺人事件』

『呪縛の家』『人形はなぜ殺される』『我が一向時代の犯罪』『狐の密室』

短編では『妖婦の宿』そして『影なき女』となります。

 

ベスト3は『人形はなぜ殺される』『能面殺人事件』『我が一向時代の犯罪』

短編はやはり鮎川先生の『赤い密室』と共にお手本の『妖婦の宿』ですね。

 

昔は角川文庫でいっぱい出てたのに、今では手に入りにくい大御所の代名詞

だった高木先生。でも最近復刊してきましたなぁ。ファンとしては僥倖です。

 

是非皆さん読んでください。

 

 

さて、愛ちゃんのドラマですが、ちょいと詳しく内容を見ようと思い、

フジテレビのホームページを覗きました。

 

そこでとんでもないミスを発見!

 

ホームページのドラマ解説に、このドラマの原作は1977年発表の『影なき女』。

とありました。

 

 

 

          見えにくくてすんません。一番下の行です。

 

 

違うよ。

 

影なき女はボクが生まれるずっと前に発表されてるで。

 

特に『妖婦の宿』と『影なき女』は戦後すぐに日本探偵作家クラブの新年例会で

行われていた犯人当てゲームに高木先生が書いた作品として有名で、

そのレベルの高さからすぐに世に発表されたというエピソードは

探偵小説ファンなら知ってて当然の薀蓄。

『影なき女』の発表年は1950年。雑誌掲載ですよ。

1977年は改めて文庫に収録された年。

ちなみにその2年前の1975年に僕がこづかいで買った密室アンソロジー

『13の密室』にすでに『影なき女』入ってるで。

 

 

この程度のことが……

プロデューサーにミステリー愛が足りないのでしょうか。

 

 

残念やなぁ……

 

 

 

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