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千龝楽 5月14日

〈ま〉の日常 池田政之の仕事

 

 

劇団NLT公演『恋の冷凍保存』は盛況のうちに

今日、俳優座劇場で千秋楽を迎えます。

企画委員としましても一安心な、いい公演でした。

 

ご覧下さったお客様のお蔭です。ありがとうございました。

 

さぁ、その、本当の最後の幕があと30分で開きます。

 

 

 

 

第一の功労者は何と言っても合田雅吏クンです。

冷凍者ポールをあくまで爽やかに、かつ情熱をもって演じてくれました。

しかし、イケメンは得だなぁ。初登場時、階段を下りてくるときの観客の溜息は

合田クンでなきゃ無理でしょうなぁ。

 

 

合田クン、本当にありがとうございました。

近々改めて飲みませう。

 

 

そして、11日と13日、やってきました。トークショー!

合田クン、川端さん、平松さん、有里さん、川島さん、加納さん、力さんを

はじめ、出演者15人総出演、でМCがボクでした。

 

いやぁ、受けた受けた。オッチャン、満足だよ。

 

お客様からも、いつもやってよ、と言われました。

いえいえ、温かく笑ってくださったお客様のお蔭です。

ありがとうございました。

 

 

昨日は、10月31日よりのNLT公演『十字花』の演出家

大江祥彦クンが観に来てくれました。

古い本なのでボクが脚色を担当します。

大江クンとは2年ぶりの仕事です。

 

こちらは 終演後飲み場での大江クンと合田クンです。

 

 

二人は旧知の間なんです。

 

もうお一人、旧知のとある女優さんがいらしてたんですが、

お忍びなんで、ここでは紹介できません。ううむ、残念!

 

 

さて、次は8月の三越劇場です。

 

がんばりまっせ。

 

そうそう。浜木綿子さんの『人生はガタゴト列車に乗って』も

徳島市と、19日の小山市でいったん終わりです。

 

皆様、お疲れ様でした。

 

今夜の打ち上げは失礼して、今から帰省です。

 

 

恋の冷凍保存と重大発表 5月10日

〈ま〉の日常

 

 

薫風の候。

 

昨日、劇団NLTの『恋の冷凍保存』が六本木俳優座劇場で初日を開けました。

 

そしてボクも舞台に立ちます。

 

ええええええ!!!

 

そない驚かいでも。その話は後半で。

 

 

さて。『恋の冷凍保存』はフランスブールヴァールコメディの大傑作喜劇です。

 

 これは本番ではありません。前日の稽古風景です。

 

 

70年間北極海で冷凍づけになっていた青年ポールが発見された。

そのポールが現代医学のお蔭で蘇生!

フランス政府はポールを国家的財産と位置づけ、ポールの保護に乗り出した。

一方、パリ郊外のお屋敷に妻と二人の子供、そして秘書という名の愛人と暮らす

売れなくなった映画監督のタルタ氏は、冷凍者の映画を作ろうと虎視眈眈。

そこへフランス政府の偉いさんがやってきて「ポールはあなたの奥さまのお爺さん

です。刺激を与えない為、ポールのご両親の役をやって下さい」と来ちゃったもん

だから、一家は大騒動。全てが70年前の世界に。更に、ポールには婚約者がいて、

タルタ氏の愛人がそっくりだったものだから、余計話はてんやわんやに!

 

とにかく面白いフランスコメディの王道喜劇です。

 

冷凍青年を演じるのは、この日記に何度も登場してくれている合田雅吏クンです。

そう、水戸黄門の格さん役で有名な合田クンです。

 

 

 

楽屋にてパチリ。

 

今回果敢にゲスト出演をしてくれました。

 

ちなみに、合田君はボクの弟弟子なんですよ。

 

昔、可愛い女優の卵が日舞を習いたいとやってきました。

ボクは、ボクの先生の藤間佑輔先生に入門させました。

そしたらすぐに売れちゃった。それが常盤貴子ちゃんです。

 

その後、常盤ちゃんの事務所から、もう一人入門したいとやってきたイケメンが

合田クンだったのです。で入門。そしたらすぐに売れちゃった。

『水戸黄門』の格さんをはじめ大活躍です。

 

本当に今回の冷凍青年ポール役にぴったり。

 

14日まで俳優座劇場でやっています。

是非ご覧ください。詳しくはこのホームページのトップページから

NLTのホームページに行けます。是非のぞいて下さい。

 

 

さてここで重大発表。

 

実はボクは平成8年から、とある事情があって、

公への顔出しを一切NGにしています。どんな事情や?

ネットに出てくるボクの写真は、ボクの知らないところでとられてアップされた

ものなのです。まぁ一々文句は言ってませんが。

そんなボクも劇場の中だけは、人前に立ちます。顔をさらします。

つまりボクの動いている姿・顔を見たいと思う方(いてるのかなぁ)は

ボクの作品を観に劇場へどうぞという訳なのです。偉そうにすんません。

 

でも今回の芝居はボクの作品ではありません。それがなぜ……

 

実は11日(土)と13日(月)の14時の部終了後、

約30分の予定で、出演者によるトークショーが開催されます。

 

で、МCはボクです。ボクが司会進行をします。

 

なんでお前が?

これでも一応NLT文芸演出部にも籍をおいていますから。

NLT企画委員でもあるし。

 

よろしければ、ご観劇ののち、お楽しみください。

 

重大発表でした。そうか?

 

 

法廷ミステリー 5月5日

〈ま〉の日常 読書感想文

 

穏やかな行楽日和。みなさんいかがお過ごしですか?

 

今ボクは8月の三越劇場の台本を書いています。

 

本当はとっくに出来ていなけりゃならないのですが、

いろいろ雑事がありましてずいぶん遅れて……

更に、あらましは出来ていたのに、又いろんなことを思いついてしまって、

もう一度一から大直しをしています。

 

出演の司葉子さん、星由里子さんには随分お待たせしちゃって……

 

もう少しですからね。

 

 

さて、一服の合間に、DVDで『リンカーン弁護士』を見ちゃいました。

又サボってからに……

 

いやいやこれがなかなか。

マシュー・マコノヒー主演の法廷ミステリーです。

 

 

 

共演はマリサ・トメイ(この映画ではそんなに活躍してませんな。

アカデミー助演女優賞受賞のコメディ『いとこのビニー』は良かったけど)

他にライアン・フィリップ、ウィリアム・H・メイシー、そして

フランシス・フィッシャー(『タイタニック』での冷酷な母親で有名というか、

クリント・イーストウッドの女性だったというか、とにかくこの人がもう少し

演技者だったらなぁ。タイタニックの母親も一昔前のアン・バンクロフトや

バネッサ・レッドグレーブやマギー・スミスだったらすごいことになってたのに

と思って観た記憶が………)

 

そんなことやなかった。

 

やっぱり法廷ミステリーものって面白い。大大大・好みですわ。

この映画も別に賞レースにはなにも絡んでないけど、でも面白い。

 

トム・クルーズの『ザ・ファーム・法律事務所』や『ア・フュー・グッドメン』

アガサ・クリスティの「検察側の証人」(映画では『情婦』、あれマレーネ・

ディードリッヒが出てましたよね)、ヘンリー・フォンダの『十二人の怒れる男』

ポール・ニューマンの『表決』、他にも『表決のとき』や古くは『三十四丁目の

奇蹟』、そして先述のコメディ『いとこのビニー』もコメディなのに法廷もの。

ジム・キャリーのドタバタコメディ『ライアーライアー』の法廷シーンは

爆笑ものでしたよね。

日本でも三谷さんの『ステキな金縛り』はコメディ法廷でした。

テレビでは同じく三谷さんの古畑任三郎で明石家さんまさんがゲストの回の

法廷シーンは特に好きでした。

 

とにかく好きです。

 

小説ではなんといっても密室の歴史的傑作ディクスン・カー(カーター・

ディクスン名義)の「ユダの窓」、ペリー・メイスンものは勿論、

この間読んでここでも取り上げたジェフリー・ディーヴァーの短編集

「クリスマス・プレゼント」の中の「非包含犯罪」もそうでした。

日本では「ユダの窓」に対抗した柄刀一さんの「f の魔弾(密室トリックは現代建築

の盲点を突いた傑作ですよこれ)。「ユダの窓」同様、探偵が法廷内に実物大の

ドアを作って密室トリックを暴くところが大の見せ場です。

 

そして一番の醍醐味は何と言っても、追い詰められ絶対有罪になりそうな被告を、

主人公が最後にドンデンで無罪にするところ。

 

でも、今日の映画は、もう一ひねりあって、なかなか、なっかなか。

 

 

実は、以前より面白い原作本を見つけているんです。

法廷ものなのに、面白い、笑える元本を。

まだどこにも、映像化、舞台化されていません。

 

そのうち、劇団NLTで、コメディ法廷劇に……と思っていたことを、

改めて思い出した真夜中でした。

 

さぁ、仕事がんばろ。連休もう終わるし。

 

 

 

 

41日! 4月30日

〈ま〉の日常

 

 

ボクは呑みます。飲みます。食みます(江戸時代か)。

 

日本酒オンリー、それも純米酒オンリーです。

乾杯から純米です。ずっと昔からそうです。

恐らく純米がないであろう結婚式、打ち上げ、パーティには

最初から話しをつけて持ち込みます。

それが大阪だったら、一升瓶をリュックに入れて新幹線に乗ります。

一度その現場を京唄子師匠に見られてしまい「何してまんねん」と

言われました。

 

そのボクが今から7年前、年間100日は酒を空けようと決めて努力しています。

 

そんなの無理と思われるでしょう?。

でも週に2日空けると1年50週で100日になるんですよ。

簡単でしょ。でもないか。これがなかなか、なかなか、なっかなか!

 

6年前は7日ダメでした。

5年前は事故で三ヵ月飲めなかったので、ずいぶん貯金がたまりました。貯金か?

昨年は109日。余裕で達成でした。

 

さて、今年は4月終了時で41日間空けました。

あ、まだ今日一日あるか。今日も飲まないぞ。偉いぞワシ。

 

このペースでいきたいな、と思っている今日この頃です。

 

ということで、酒の写真はないのか?

ありません。そんなの載せようとしたら、又飲みたくなってしまいます。

 

その代わりといってはなんですが、ゆるーい画像は如何でしょうか。

癒されますよ。そうか?

 

 

 

実家の庭の隅にこんな綺麗な花が咲いていました。

なんて花かって? 聞かんといて。

 

 

次は、両方の祖父母の墓参りをしてきました。

以前にも載せましたが、実家から車で三十分の田舎です。

その帰りにいつものように丹治という村の文殊堂さんへ、

そして境内にある日切のお地蔵さんにもお参りしてきましたが、

そこから前を見たら、千ヶ峰がはっきりと見えました。

 

 

後ろの山なみの一番奥の一番高い山、それが千ヶ峰です。

関西百名山にも選ばれています。

標高はなんと、1005メートル。そう千メートルです。それで千ヶ峰?

 

そんなわけはありません。だってメートル法実施のずっとずっとずぅうと以前から

そう、大昔からここは千ヶ峰。なんという偶然でしょうね。

 

尾根伝いに南に下がると笠形山という、

標高900メートル以上の高い山があって

兵庫県立の笠形山・千ヶ峰自然公園にも指定されています。

 

ううううん。田舎のいい風景だ………

 

ゴールデンウィークまっただ中。そして明日から五月。

 

仕事やんなきゃ………

 

 

終わりよければ 4月29日

〈ま〉の日常 読書感想文

 

 

さぁ、月末恒例投稿数帳尻合わせの時節がやって参りました。

なんやそれ。ばらすなよ。

 

実はこんな本を大阪新歌舞伎座への往復の新幹線で読んでいました。

 

 

 

ジェフリー・ディーヴァーの短編集です。

 

ディーヴァーは『ボーンコレクター』を書いた大ベストセラー作家です。

 

先日彼の、ジェットコースター大どんでん返し長編ミステリー『魔術師』

(イリュージョニストと読みます)を読んで、そのどんでん返しぶりに

感動したので、今のスケジュールに合わせ短編がいいだろうと

この本を買ったわけです。

 

ちなみに『魔術師』はこちら。

 

 

上下巻の大伽藍ですぞ。

 

 

さて『クリスマス・プレゼント』にもどりませう。

内容は約30~40ページの短編が16本。

どれもが必ず最後にどんでん返しがあるというふれこみ。

確かにすごい! 短編はこうこなくっちゃ。特に『三角関係』はすごい。

 

でも………

 

どんでん返しが見事であればあるほど、少々安易に思えてしまうのは

ボクだけでしょうか。

「あらら。ふぅん。なるほど」で、「えええええええ!!!」とはならないのである。

 

長さなんだと思う。短編だからあっという間に結末になる。そしてドンデン。

驚くんだけれど感動が薄いのは、困難な道のりの長さなんだろうなぁ。

長い道のり、一歩一歩、苦労して、やっと終盤に来て、

そこでいきなり食らう大どんでん返しのパーンチ!

だからこそ、その衝撃も大きく、

つまり安易に手に入れるものではないのかもしれません。

 

まだ子供のころ、星新一さんのショートショートが大好きで、

次から次と読み進んでいた感覚というのかなぁ。

ショートショートはいわば良質の小噺。一瞬の笑いを求めていたからいいけど、

本噺には大作と前座噺があって、前座噺のオチが良ければ良いほど、

少々もったいなく、軽く感じてしまうあの感じというのかなぁ。わからんがな。

 

素晴らしいミステリー短編は星の数ほどあるけれど、

トリックやミステリー性よりも、ドンデンに命をかけた短編だと、

こういう感覚になるのかもしれません。

 

切れ味抜群の大ドンデン『三角関係』でさえ、『魔術師』の正体がッ、ええええ!!

の時とは、少々アドレナリンの出方が違うんですよ。

 

とはいえ、素晴らしい一冊には違いない、うん。

特に『三角関係』はぞっとするほどお見事。何べん言うてんねん。

是非読んでください。個人的には『非包含犯罪』『ウィークエンダー』も

好きでした。

 

 

なぜこんなことを書いたかというと、

今、大阪新歌舞伎座でやっている、『人生は、ガタゴト列車に乗って……』

 

大阪のお客様は芝居に厳しい。

特に喜劇には、笑いの本場だけあって本当に厳しくご覧になる。

 

ボクも関西人だし、喜劇は一杯やってきたし、

過去、松竹新喜劇でも、また吉本さんでも本を書いている。

それでも、初日はヒヤヒヤする。

 

それが……うけた!

一幕はそうでもなかったけど、二幕になった途端、もう入れ食い状態。

特に、最後二幕五場。浜さん演じるマスさんの独白場面は、

拍手、歓声が止まらず、客席がどよめいた。

それと二幕三場の浜さんととん平さんの場面は、

お二人の恐ろしいほどの実力によって沸きに沸いた。

 

そうなのだ。

一幕があって、

キチンと作りこんでいった一幕を経て、

お客様は、二幕にすべてを飲み込んでくださったのだ。

主人公の一番の味方になって下さったのだ。

マスと共に笑い、マスと共に泣く。

 

長編の大どんでん返しがぴたりハマったのだ。浜さんだけにハマった。アホ!

 

何事も終わりよければである。終わりがよくなければ、それまでどんなに良くても

幕が下りるとき後味の悪い芝居になって、台無しとなる。

だから、時間経過とともに盛り上がることが大事で、つまり

そのために、そこまでがあるのだ。

手を抜かず、最初から飛ばしすぎず、丁寧に………

 

ジェフリー・ディーヴァーの『クリスマス・プレゼント』から

そんな事を思った今日この頃です。

 

何とか1日分クリアしたぁ………せやからばらすなて。

 

 

 

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